藤川 尚

ディレクター プリセールス&カスタマーサクセス

S/4HANAコンバージョンにおけるビジネスファンクションの影響分析

S/4HANAへのコンバージョン時に、ビジネスファンクションへの影響をPanayaがどのように分析するかをご紹介します。

ビジネスファンクションへの影響

S/4HANAにコンバージョンする際、ビジネスファンクションは、always_on、customer_switchable、always_offと3つのステータスを持ちます。

 

現在ビジネスファンクションが有効で、always_offの場合、S/4HANAへコンバージョンできません。ただし、一部のビジネスファンクションではコンバージョン前に無効化することが可能です。このケースはクリティカルですが、該当されるお客様はまれなようです。

 

現在ビジネスファンクションが無効で、always_onの場合、S/4HANAへコンバージョンと同時に強制的に有効化されます。このケースはほとんどのお客様でいずれかのビジネスファンクションが該当し、分析結果に現れてきます。

 

詳細は下記Noteをご参照ください。

2240359 – SAP S/4HANA: Always-Off Business Functions

2240360 – SAP S/4HANA: Always-On Business Functions

 

ビジネスファンクションは数も多いので、どのビジネスファンクションがどのステータスを持つのか、それらのうちどれが自社のSAPシステムに関係するのか、さらに関係するビジネスファンクションはどのトランザクションに影響し影響範囲はどうなるのか、までを確認するとなるとかなり大変な作業になるかと思います。

 

 

Panayaの分析結果

Panayaでは、そのようなビジネスファンクション関連の影響も分析を行います。

まず、以下のようなカテゴリー、タスクタイプによりタスクを生成します。

 

 

タスクの内容はこのようになります。

 

 

 

このタスクの例では、ビジネスファンクション/PLMU/GSS_E2Mが現在有効ではありませんが、always_onのためS/4HANAへのコンバージョンと同時に有効化されてしまいます。

 

その場合の影響のあるトランザクションもリストアップされ、単体テストタスクとしてTestsタブに紐付けられています。

 

 

この2つのトランザクションは、ビジネスファンクションの有効化により既存の動作が変わってしまう可能性があるため、その内容の確認とテストを注意深く行う必要があります。

 

 

プロフィール

藤川 尚
ディレクター プリセールス&カスタマーサクセス

外資系コンサルティングファーム、日系大手コンサルティングファームにてSAP関連のプロジェクトに参画。主にクロスアプリケーション領域を専門とする。その後、Panayaの日本法人の立ち上げから現職。Panayaの提案から導入支援、導入後のサポートまで技術全般を担当している。