Panaya 本社チーム

アプリケーションマネージャーがS/4HANAマイグレーションで考慮すべきポイント

SAPを導入している企業のアプリケーションマネージャーは、この製品の最新プラットフォームであるSAP S/4HANAへのアップグレードについて、最善の方法を検討する必要があります。SAPは、顧客からの圧力により、現行のECCソフトウェアのサポート期限を2025年から2027年に延長しましたが、S/4HANAへの移行は避けられません。また、導入することによりビジネスに大きな利益をもたらすことができます。

ここでは、混乱を最小限に抑えつつ、明確なマイグレーションジャーニーを実現するために知っておくべきポイントを紹介します:

 

バリューマッピング

IT部門と業務部門が、S/4HANAへの移行がもたらす影響と結果を理解することが重要です。SAPバリューマップを作成することで、さまざまな部門がアップグレードの準備や、利用可能なイノベーションからどのような利益を得ることができるかを理解することができます。これにより、混乱を最小限に抑え、スケジュールを守り、リソースを浪費することなく迅速な移行を実現することができます。

 

グリーンフィールド vs. ブラウンフィールド

組織は、「グリーンフィールド」と「ブラウンフィールド」、それぞれの長所と短所を評価し、どちらで実施するかを選択する必要があります。この2つのアプローチを評価するには、現在のプロセスを見直すとともに、将来のビジネス要件を満たしているかどうか、ビジネス戦略への影響、そして予算と利用可能な時間を調べる必要があります。

* グリーンフィールドとブランフィールドの説明はこちら

 

望ましい成果を特定する

S/4HANAに移行するビジネス上の正当性を特定し、広めます。組織には達成したい利益がそれぞれありますが、誰もが望ましい結果を確実に理解できるようにするためには、確固たるビジネスケースを作ることが不可欠です。

 

ビジネスプロセスの文書化

システムの理解や分析を深めるために、財務報告など、現在稼働しているビジネスプロセスを徹底的に収集し、共有するようにします。アップグレードの対象バージョンに基づいて、リソースと時間の面で何が必要になるかを計画します。最初から最後まで、最適で正確なプロジェクト計画を立てることが目的です。

 

テストの重要性

すべての組織は、移行プロジェクトの各段階でテストを行う準備をし、また開発者やビジネスユーザーなどのさまざまな関係者によって実行されることを認識する必要があります。ユーザー受け入れテスト(UAT)は、ビジネスユーザーの移行をスムーズにするのに役立ちます。

 

正しい順序でタスクを完了する

ある段階での失敗や怠慢は、重大な意味を持つことがあります。事前計画、プランニング、ビジネスケース、コードの修正やテストなどのコンバージョン作業、そして加速はすべて、専用の時間とリソースを必要とする重要な要素です。

 

全体像

組織は、プロジェクトの全体像を持つ必要があります。特にテストに関しては、相互依存に対処し、アップグレード前後の修正の同期を確保する必要があります。何が必要かを把握することは、360度の視野があってこそ可能です。

 

本稼働の決定

本稼働は重要なイベントです。チェックリストが徹底されていれば、リスクは最小限に抑えられますが、GOサインを出すには、ビジネス全体で高いレベルの協力と準備が必要です。甘く見てはいけません。

 

 

PanayaのS/4HANA移行支援について

S/4HANAへの移行には、評価、準備、移行、加速という4つの重要な段階があり、PanayaのSAPエキスパートは、すべての段階で組織のS/4HANAへのアップグレードを支援しています:

 

評価

PanayaのS/4Assessは、プロジェクトのコストと利益を含む計画と、ビジネスケースを構築するために必要な、初期のITに役立ちます。時間、テスト、計画された修正作業など、プロジェクトを完了するためにどれだけの労力が必要かを網羅し、クライアントに全体像を提供します。Panayaは、堅固なSAPの基礎の上に構築するか、ECCからS/4HANAに移行するか、グリーンフィールド導入を選択するか、最善の方法を決定するための分析を提供します。豊富なダッシュボードを提供し、工数、進捗、不具合、リスク、ベスト プラクティスを表示し、それぞれの変更箇所のコードにドリルダウンします。

 

準備

PanayaのS/4Prepは、HANAデータベースへの移行やコードクリーニングなどのコンバージョン前の活動をサポートすることで、SAP移行プロセスにおけるリスクを軽減するツールボックスです。組織は、既存のECCシステムに基づいて新しいビジネスプロセスを設計することができます。

 

移行

PanayaのS/4Convertは、ECCからS/4HANAに移行するプロジェクトの全容を理解するために、エンドツーエンドのプロジェクト実行をカバーしています。プロジェクトには、すべてのワークストリーム、修正、およびテスト活動が含まれます。一部の活動は、自動コード修正(ICR: intelligent code remediation )などにより自動的に行われます。リスクを最小化し、プロジェクトの時間とコストを50%削減することができます。Panayaに内蔵された自動記録機能でコンプライアンスを追跡し、電子署名の使用で承認を強制します。Panayaはテスト ライブラリを作成してナレッジベースを構築し、テスト資産を将来のプロジェクトで再利用することを可能にします。

 

加速

PanayaのS/4Accelerateは、既存のSAP S/4HANAの導入から新しいバージョンのS/4HANAにアップグレードする際のエンドツーエンドのプロジェクト実行をカバーしています。これにより、機能性が向上し、企業が効率的かつ迅速にアップグレードできるようになります。

 

 

以上、S/4HANAへのアップグレードの際に考慮すべきポイントを紹介しました。

 

原文: S/4HANA Migration Checklist for Application Managers

 

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