藤川 尚
ディレクター プリセールス&カスタマーサクセス新機能:不具合修正Note分析
新機能として、標準機能の不具合の修正や機能変更、法改正に関連するNoteを分析する機能が追加されました。
ERP6.0からS/4HANAへの移行、もしくはS/4HANAからS/4HANAへのアップグレードの際に、標準機能に不具合があった場合、通常テストフェーズで発覚し、OSSに問い合わせたり、修正Noteを探すことになりますが、その間テストが停止しスケジュールに影響してしまうことが多いかと思います。
また、機能変更の情報がSI Checkの結果と関連Noteにはなく、それとは別のNoteに記載されていることがあり、不具合と同様、標準機能が想定通り動作しない場合に、調査の結果発覚することもあるようです。
さらに、使用モジュールとタイミングによっては法改正に関連する修正Noteや機能変更の調査確認も必要となるかと思います。
今回の新機能では、これらのNoteを事前に洗い出します。
新機能が有効となったPanaya S/4Convert、S/4Accelerateのプロジェクトで分析を実行頂くと、Correctionsの新しいカテゴリーとして「Related notes」ができ、検出されたNoteがタイプ別に整理されタスクとして生成されます。
この例では、321のNoteがこのシステムの使用状況に照らし合わせて関連するものとして検出されています。
これらを事前に確認することにより、不具合を修正し、機能変更を把握した上でテストフェーズに入ることができ、想定外の問題を避け、工数の増大やスケジュールの遅延を避けることが可能になるかと思います。
実装されるPanayaのソリューションはS/4ConvertとS/4Accelerateとなりますので、以下のシナリオにてご利用いただけます。
・S/4Convert:ERP6.0からS/4HANAへの移行時(ブラウンフィールド、グリーンフィールド)
・S/4Accelerate:S/4HANAからS/4HANAへのアップグレード時。または、S/4HANAの新規導入時に、ターゲットバージョンの変更が発生した場合。
プロジェクトのリスクを低減する、強力な機能になるかと思いますので、ぜひご活用頂ければと思います。
プロフィール
外資系コンサルティングファーム、日系大手コンサルティングファームにてSAP関連のプロジェクトに参画。主にクロスアプリケーション領域を専門とする。その後、Panayaの日本法人の立ち上げから現職。Panayaの提案から導入支援、導入後のサポートまで技術全般を担当している。